各業界からの需要に反して、人材不足が叫ばれているIT業界。システムエンジニアも需要増加の一途を辿っている職種の1つで、まだまだ人手が充足しているとは言い切れません。そのため、抱えている案件にもよりますが、システムエンジニアの業務はハードになることもあります。人によっては、複数の案件やタイトなスケジュールをこなすべく、業務を詰め込んで体調を壊してしまうことも。その中でもやっかいなのが、心の病であるうつ病です。実は、システムエンジニアはうつ病になりやすい傾向にあります。多忙ゆえに思い過ごしだとスルーしてしまいがちですが、実際にうつ病になってしまったら身体に何かしらの異変がおこることがほとんどです。たとえば、身体的な異変の場合は、眠れなかったり、食欲がなかったり、食べ物が美味しく感じなかったり、腹痛が続いたり、いつもとは明らかに異なる体調不良のサインが現れます。また、精神的な異変の場合は、気分が落ち込んで数週間改善しなかったり、自分に自信がなくなったり、熱中していた趣味に興味がなくなったり、心があらゆることに反応しなくなります。もしも、こうしたうつ病のサインが現れたら、放置してはいけません。忙しくても、常に自分自身の体と心を思いやり、少しでもこれらの変化が見受けられるようだったらすぐさま休養を取ることが大事です。
その人の性格にもよりますが、システムエンジニアによくあるのが、悩み事があっても周囲に相談できずに一人で抱えてしまいがちだということです。というのも、一日中パソコンと向き合い、コミュニケーションを取りづらい職種のため、自然と人と距離を置いてしまう人もいるからです。もちろん、プロジェクトを抱えている場合は、チームメンバーと話す機会はありますが、悩み事を相談するまでには至らないかもしれません。それだと、一人で闇雲に考えてしまい、良い解決策が見つからず、かえってストレスが溜まります。まじめで責任感の強い人が多いシステムエンジニアは、完璧主義ゆえに相談するのも憚れるかもしれませんが、うつ病を予防するためにもできるだけ悩み事があれば周りへ相談し、助けを求めましょう。
過度なストレスも、うつ病を患う原因として考えられます。忙しいシステムエンジニアにとって過労や睡眠不足を避けるのは困難かもしれませんが、できるだけ身体的な部分のストレスは時間を見繕ってしっかり休息をとり、改善していくことが望ましいです。また、職場での人間関係やシステムエンジニアとして将来への不安があるなど、精神的なストレスがある場合は、転職したりフリーランスへ転身したり、仕事環境を変えるといった考え方も視野に入れてみるといいでしょう。要は、ストレス原因をしっかり探り、自身が自覚し、過度な負担がかかっているストレスを取り除くことが大切です。ストレスを溜め込んでうつ病を患う前に、定期的にストレスを発散するのも予防に繋がるでしょう。